講師への質問【3つのレベル】成績アップには必須のスキル!
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今日は山名先生に来ていただきました。山名先生よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
山名先生は 国語の先生で、駿台・浜学園でも一番キャリアの長い先生ですよね。
そうですね。
今日は山名先生には、講師(先生)への質問について聞いてみたいと思います!
山名先生はいつも「質問の仕方がすごい大事!」と言ってますが、質問レベルには3段階あって、ステージ3の質問力を身につければ、難関公立高校に近づけるとよく言ってますよね。そのレベルが何なのかを教えてください!
レベル1:質問をする
まずは、「質問をする」というレベルです。
当たり前のことですが、質問しないということは、不明点を放置することなので、苦手なところ分かってないところが積み重なっていくだけです。
もしかすると自分で考えてなんとかしてるかもしれませんが、その自分の推測や仮説が合っているのかは、やはり第三者に聞いたほうがいいですね。
先生に質問するのってなかなか難しいですよね。「質問しにくい」「先生忙しそう」とか。忙しそうにしている先生を見ていると「邪魔かな」と思っていきづらかったり。そういう子はいると思いますよ。どうしたらいいですか!?
先生は質問が大好きな生き物
まずは普段から生徒とコミュニケーションを密に取るというのが大事だと思います。「この先生に質問したらシバかれるんちゃうか?!」と思っていたら質問しにくいので、「質問しても大丈夫やな」という雰囲気は、先生側も出していかなきゃいけないんです。
これは先生側が注意すべき点ですが、先生は基本的に質問に来てくれるのがうれしいんです。少なくとも駿台・浜学園には「ちょっと面倒・・・」と思う先生はいません。だからどんどん来てもらえたらいいです。
それでも来にくい生徒はいますので、私の校舎(阪急豊中校)であれば、「質問教室」という枠を作っています。その時間だったら先生もバタバタせずに質問を受けられるので、生徒も質問をしやすいですね。
では、レベル2を教えてください!
レベル2:質問はするけど、答えだけ求める
レベル2は「質問はするけども、答えだけを求める」です。「先生、全部教えて。答えを教えて」というような質問です。駿台・浜学園の生徒も、最初はほとんどがこの質問です。
例えば、「先生、全部わからない。答えがなぜ『ウ』になるのかもわからない。」「記述は答えと違うけどマル付けして」とかですか?
まさにそんな感じですね、特に国語は多いです。「あってるの?間違ってるの?どっち?」とか。
そういうとき先生はどうするんですか?
そういう場合は逆に聞き直します。「先生、何で『ウ』なんですか?」とか聞かれたら、「何で『ウ』やと思う?」
お~!なるほど。かなりもったいぶってますね。
「どうやったら国語が伸びるんですか?」という質問も来るのですが、「どうやったら国語が伸びると思う?」って質問するんですよ。
なるほど。考えさせるということなんですね。
そうですね。これを繰り返しててもなかなか成績は伸びません。答えを言ってくれるロボットみたいな。
特に今の子はネット検索に慣れていて、いつでもどこでも答えにアクセスできます。大人もそうですが、検索に忙しいですよね(笑)。
一つひとつの情報に対して、考える時間が相当少なくなってますし、答えへのスピードを求めてしまい、どんどん我慢することができなくなっています。
う〜ん、なんだか考えさせられますね。では、最後にレベル3の質問を教えてください。
レベル3:考えて質問に来る
今の話にヒントは出ていましたが、「考えて質問に来る」これが最上級ですね。
具体的に考えて質問する、ということですかね。
そうですね。今は大阪府のC問題でも大学入試でも「思考力」が大きなキーワードになっています。
問題の答えが「なぜその答えになるのか?」というプロセス、道のりをしっかりと考えた上で、なぜ答えとこの部分が違うのか。ここまではたどり着いたけれども、 残りのここが到達できない。
だからちょっと先生教えてください、と説明して持ってくる、この質問が一番レベルが高いですね。
分からなくても自分なりに考えてみたり、分からないところがある程度絞り込まれていたりとか。
そうですね。あと「これも間違えてないんちゃうか?」と自分の考えを持ってきて質問してきたり。そういう子はやっぱり伸びますね。
質問に来て、30分も引き下がらなかった生徒
過去にそういう質問をしていく子はいましたか?
はい、います。国語で「ア~エの中で適切なものはどれですか」と選択問題がありました。ある生徒は選択肢の「ウ」を選んできたんですが、答えは「イ」だったんですよ。
これはレベル2の質問なら、「何で『イ』ですか?」って持ってくるパターンですね。だけどその生徒は、なぜ自分が「ウ」を選んだのかという明確な根拠を持っているんです。
ここからこう考えて、ここにこう書いているから「ウ」を選択した。「イ」はこの部分が本文のこの部分と違うと思ったから「イ」を消した。すごく明確だったんです。
それを説明してくれたのですが、私はその「イ」が正解だという根拠を説明したんです。そしたら彼も相当考えてきてますから(笑)、なかなか一手二手ぐらいじゃ覆らないんですね。
すごいですね。
いやいや先生、それは確かに分かりますけども・・・と来るんです。それであれば「イ」は正解だとしても、「ウ」もいけるんじゃないかなと。「ウ」も正解じゃないですか?なぜ「イ」だけなんですか?と。
確かに「ウ」は この部分が本文に書いているけど、設問の聞かれ方は、ポイントを2つ含まれてないとアカンと。「ウ」は1つのことしか書いてない。こういうパターンはバツになるんだと。
「本文に最も適切なもの」と書いてるから、「ウ」は確かに適切だけど、ポイントを2つ入れないといけない。1つのポイントしか当てはまらない「ウ」は、最も適切ではないということなる。だからポイントが2つ含まれた「イ」が最も適切やねんと。
先生のほうも熱くなりそうですね!
そういう問答を30分ぐらいやったんですよ。1問に対してじっくり考え、質問を持ってくる。そして、こうじゃないああじゃないと言いながら最終的に納得できた問題は、スッと生徒の中に落ちていきます。
そこからもう成績もしっかり向上して、彼は北野高校に合格していきましたね。
できなくても考えた分だけ賢くなる
その子は初めからそういう質問ができたのですか?
最初はできませんでした。少しずつ考えるクセをつける必要があるんですね。うち塾では授業中でもなるべく余白をつくったり、質問に質問で返してなかなか答えを言わないようにしています。考える環境に身を置くことで、だんだんとクセが付いてくるんです。
学力がつくのは、問題を正解した時ではなく、間違えたその後です。
できない、分からない状態を放置したり逃げるのではなくて、「なぜ」とか「どうすれば」と考えること。
間違っていてもいいし、怖がらなくてもくていいんです。考えた分だけ賢くなるので!
山名先生に質問したら、考えるクセがつきますか?
はい、なっていきます!そうなるためには、まずは質問に来なきゃいけない。
最初はレベル1の質問でも大丈夫!こういう質問の仕方をするといいよって先生がアドバイスをしてくれます。質問を通して考えることを学ぶことができるんですね。
よく分かりました!皆さんもどんどん山名先生に質問に来てください!
はい! 大好物ですので待っています!