【大阪公立高校入試】英検2級と英語C問題のポイント
| C問題教科別
本日は阪急豊中校の酒井瞭太先生です。よろしくお願いします。
よろしくお願いします!
酒井先生は英語科のサブマネージャーということで、英検の取得数・取得率でトップの先生と聞いていますが…よかったですか?
はい!(笑)
英検と大阪府公立高校入試の関係
まず、英検は大阪府の公立高校入試で大事であることがだいぶ周知されていますが、基本的な制度のところから説明してもらえますか。
大阪府の公立高校入試においては、英検の2級が取れていれば90点満点のうち80%である72点が保証されます。準1級と1級を持っていれば、100%である90点全部得点が保証されます。
当日に何点取っても満点もらえるというルールになってまして、文理学科を受験する子たちはほとんどみんな 中学生のうちに英検2級までの取得に向けた勉強をやっている状況ですね。
そもそも英検2級のレベルって?
英検2級はどれぐらいのレベルなんですか?
英検協会の発表では、英検2級は高校卒業程度のレベルです。
それを中学3年生の受験の段階で求められると・・・。
そうですね。
それを中学3年生の受験の段階で求められると・・・。高校卒業レベルなので、英検2級を取得していくためには中学生からだとやっぱり間に合わない?
そうですね…間に合う子も中にはいますが、3年間で1から始めて高校卒業程度までやらなきゃいけないとなると、時間が厳しい部分は出てきますよね。
小学生から準備していかなきゃいけないっていうことですかね。
そうですね。駿台・浜学園の生徒だと、3年生の1学期の英検でほぼ2級まで取りきってしまうのですが、その時期までに取る子の多くが、小学生のうちから英語の授業を参加してた子たちです。
英検2級を取るには、小学生では何を勉強すればいい?
小学生のうちにどういう取り組みをしてたら、のちのち英検2級が取りやすいよということを教えてもらってもいいですか?
じゃあ ちょっとだけ。
小学生の授業では英語の洋書を使った音読をずっとやっていまして、本当に英語だけ書いてある本を皆で読むのですが、それを通して発音をしていきます。
八田先生も言っていましたが、単語が2個あったら音が繋がって聞こえる部分があるんですけど、繋がった状態の音っていうのを練習しています。
なのでリスニングに関しても、あとは英検の試験で必要なスピーキングの技能についても身につけることができます。
音読中心なんですね。
あとは英語の物語をずっと読んでいるので、まとまった文量、かなり語数が多い英文が出てきても、「うっ…」ってならずに読めるようになります。
あとは小学生の間では、文法をガッツリ教えるのではなく、ざっくりと意味をとりながらどんどん読み進めていくっていうスタイルをとっています。
単語の意味がある程度わかっていれば、周りの情報から話を類推しながら予想を立てながら読み進める力が身に付きます。
分からないワードが入っている状況に関しても、落ち着いて動ずることなく読み進めることができるようになっていきます。
我々が最初に英語を学んだ時はやっぱり文法は先行して…単語単語…文法文法…というような形で、特に喋ったり聞いたりするっていう機会が少なかったように記憶してるんですけど。
小学生のうちは話したり聞いたりを中心にやっていってるという。
そうですね。
逆に中学生になってからリスニングやスピーキングの練習が忙しくなるので、あまり時間を割くことができないんですよね。なので、一番土台になるスピーキングとリスニングを小学生の間にしっかり鍛えてあげるのが一つポイントになります。
なるほどね。
何年生までに英検何級を取ればいいのか
ちなみに小学生では何級ぐらいまで取れていたら、良いペースなんですか?
ペースとしては、中3の1学期終りまでに英検2級が取れるようにっていうところから逆算して考えていきます。
中3の1学期で2級が取れている子は、だいたい2年生の夏休みや秋から単語の勉強をスタートしてますので、半年から1年弱ぐらいの期間かかるものと考えてください。
準2級は2年生の1学期、もしくは1年生の終わりまでに取れていればベターです。
3級が6年生の終わりまでに取れているのは、一つ基準になります。
中学生でも満点を取れる英検のパートって?
小学生ではそういう力をつけていき、中学生からは準2級・2級がある程度中心になってくると思うんですけど、その辺の対策っていうのはどうですか?
やっぱり英検2級になると高校卒業レベルですし、準2級に関しても高校1年生、2年生レベルなので、中学生が苦戦するのは語彙のパートですね。
語彙がなかなか苦労する子たちが多いのですが、実は中学生でも逆転できるパートっていうのはあります。それがライティングです。
ライティング?
はい。ライティングは実際に駿台・浜学園の生徒で満点の650点を取った子も複数出ています。駿台・浜学園の2年生の生徒までが習っている文法ですね。
それこそ中学校の文法だけでライティングは満点取ることは可能です。
ライティングっていうと日本語でいう作文に当たる部分ですよね。なかなか苦手な人も多そうで…。私は国語科ですが、作文ってやっぱり得意な子の方が少なくてね。点数もなかなか取りづらいという…。
そんなイメージがありますが、英検は違うと?
英作文の型がある???
そうですね。こういう組み立てで書きましょうという分かりやすい英作文を書くための型がありまして、その型をまずはしっかり見つけることがポイントです。
あとはライティングのお題になる問題。いろいろな話題がある中で、この話題が来たらこういうネタを使ってお話を展開していこう、という持ちネタをいっぱい作っていくんですね。
そのために駿台・浜学園の生徒に関しては授業や講習会でライティングの指導も行ったり、満点になるようなライティングの解答例をみんなで作っていたりとか。
あとは英語受講者で英検2級を受験する子には、一人ずつライティングの添削を先生がやってます。
確かにライティングって一番自分一人でやりにくい対策しにくいそうですね。人の助けがいりますよね。
合ってるかどうかわからないですからね。その対策をすることで英検2級の合格に大きく近づけると。
そうですね。かなり加速できるんじゃないかなと思います。
注意!英検2級を取れば大丈夫!とはいかない状況に
英検2級を取得した先なんですが、最初にもあったように文理学科に合格するためには英検2級取得が必須だと言われていますが、高校入試を考えると英検取得だけでいいんですかね?
実はここ1年…2年ぐらい大阪府の公立高校入試問題がだんだん簡単になってきていて、平均点が上がってきています。
今年の2022年度の春の入試ですと、72点が保証されている点数をオーバーする子が結構出てきてます。なので、今までだったら英検2級が貯金になっていたのですが、今の時期だと英検2級の72点は最低ラインの保証にしかなっていない。
それ以上の点数を取る子がいっぱい出てくるフェーズに入ってきているので、ここから先は英検2級を取ったあと72点より高い点数を取り、英検2級を持っているけど英語が原因で入試で負けたっていうことにならないように。
なので、英検2級取得後は入試での得点に向けた勉強が必要になってきます。
数年前までであれば英検の取得者数が少なくて、C問題も難しいことはずっと言われていましたから、英検2級を取ったら勝ちみたいなことは言われてましたよね。それがもうそうではなくなってきている。
もうその状況ではなくなってきてますね。
以前は英検2級を取ったら、英語をそもそも勉強しなくなるっていうケースもね?
ありました。問題になってたりもしてましたから、そういう意味では当日のC問題に向けて英語を頑張っていくのは、高校入学後を考えると英語力がしっかり付いた状態で高校に行けるっていうことも ありますからね。
英検がどれだけ重要かということと、どれだけそれに対して準備が必要かっていうことを酒井瞭太先生に教えていただきました。
ありがとうございました!